最後のブルートレイン、北斗星乗車記(1)上野駅篇
ようやく電光掲示板に北斗星の発車案内が現れた。前後を占めるのは「小金井行き」ばかり。かつての中電が聞いて泣く「古河行き」でないのが救いだが、もはや「黒磯行き」は1日3本しかないし、「宇都宮行き」も減ってしまった。札幌まで乗り換えなし、という長距離列車がどこか場違いな印象すら受けてしまう。
13番線には、すでに北斗星が入線している。
波瀾万丈のスシ24‐506
やはり目が行くのは、この編成の目玉ともいえる食堂車のスシ24‐506だ。いままでも上野駅で何度となく目にしてきたが、暗いことや、柱に邪魔されてしまうことなどできちんと写真に収めることがなかった。
このスシ24‐506だが、1974(昭和49)年に白山用のサシ489として新製されたが、その後白山の食堂車廃止に伴ない横軽対策を撤去しサシ481に形式変更後、ふたたび白山の食堂車復活に伴ないサシ489となり、1985年の白山食堂車廃止後は保留車となり、そのまま廃車か…と思いきや青函トンネルが開通した1988年にスシ24に改造され現在に至る。485系一族として活躍したのが14年。それから平成の世、JRの時代を24系として四半世紀あまり駆け抜けた。鉄道記念物モノの名車である。
調理室側から。業務用扉、従業員用便所の丸窓の特徴がよく分かる。
同形式の車両は、車齢20年足らずで廃車になってしまったことを考えれば、間違いなく幸運な車両であったといえるだろう。
さて、そろそろ車内に乗り込もうか…。
(つづく)
続編はこちら
最後のブルートレイン「北斗星」乗車記。いよいよ発車。そしてグランシャリオへ!
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