首都圏主要都市間表定速度ランキング2018年新宿ー多摩編

首都圏主要都市間表定速度ランキング2018年新宿ー多摩編

首都圏の近距離都市間輸送に焦点を当て、2都市間での区間表定速度を比較する「首都圏主要都市間表定速度ランキング」。今回は、「拝島ライナー」「京王ライナー」など私鉄に有料の座席指定列車が設定され、競争の激化している新宿ー拝島、新宿ー多摩センターのランキングを紹介する。

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新宿ー拝島(中央本線・青梅線/西武新宿線・西武拝島線)

「おはようライナー青梅」「ホームライナー青梅」の運転開始は1991年。すでに四半世紀以上の歴史を誇る。
「おはようライナー青梅」「ホームライナー青梅」の運転開始は1991年。すでに四半世紀以上の歴史を誇る。

2018年3月から突如運転を開始した西武鉄道の「拝島ライナー」。いままであまりテコ入れされてこなかった西武拝島線に設定された有料のライナー列車だ。

西武拝島線じたいが全線開通したのが昭和43(1968)年と比較的新しく、いまも末端区間は単線。市の中心となる駅も「東大和市駅」以外存在せず、多摩の住民にとっては「西多摩の辺縁部を走る寂しげな路線」というイメージだ。西武立川という駅に至っては立川を名乗りながらも、JR立川駅から5kmも離れた原野にぽつんと佇む寂しげな駅。終点の拝島も、西武線のホームはだだっ広い構内の端っこで、八高線のキハ30と並んで止まっていたのも今は昔。最近は開発が進み、沿線の人口も増えているのが「拝島ライナー」設定の背景のようだ。

とはいえ、ライバル青梅線にライナーが設定されたのは平成3(1991)年だから、四半世紀以上前のことになる。果たして後発の西武鉄道「拝島ライナー」はスピードで青梅ライナーに一矢報いることができるのか。

いちばん速いのは休日日中の「青梅特快」!

新宿ー拝島 距離 所要時間 表定速度 備考 料金
青梅特快 34.1 35 58.5 土休日 中央本線・青梅線経由
464円
特別快速ホリデー快速
おくたま3号
34.1 37 55.3 土休日 中央本線・青梅線経由
464円
青梅ライナー3号 34.1 38 53.8 平日のみ 中央本線・青梅線経由
974円(乗車券464円 特別料金510円)
拝島ライナー1号 36.9 43 51.5 土休日 西武新宿線・拝島線経由
732円(乗車券432円 特別料金300円)
拝島ライナー1号 36.9 47 47.1 平日 西武新宿線・拝島線経由
732円(乗車券432円 特別料金300円)
西武新宿線急行 36.9 48 46.1 西武新宿線・拝島線経由
432円
快速(青梅線直通) 34.1 49 41.8 中央本線・青梅線経由
464円

上記が新宿(西武新宿)ー拝島間の表定速度ランキングだ。予想に反して、ライナーではなく休日の日中に運転される青梅特快がナンバーワンになってしまった。この連載でかねがね言っているように、中央線・青梅線の特別快速は最高速度こそ100kmだが、表定速度は速い。立川から各駅に止まり、「青梅短絡線」という低規格の路線を経由するにも関わらず所要時間35分。58.5km/h。

中央本線から青梅線に乗り入れる列車が走行する「青梅短絡線」
中央本線から青梅線に乗り入れる列車が走行する「青梅短絡線」。中央本線(左下)をオーバーパスするための短絡線だが、単線でくねくねと民家の間を縫うように走る。いったいどこに連れて行かれるのか不安になったころ、西立川駅で青梅線に合流する都内のミステリー線だ。

余談だが、この青梅特快の新宿ー立川間の表定速度は71.0km/h。「通勤電車」にも関わらず、難波ー関西空港間の「ラピートβ」や、高松ー徳島間の「うずしお」に匹敵する表定速度といえば速さが伝わるだろうか。

ついで土休日に運転される「特別快速ホリデー快速おくたま3号」が2位にランクイン。中央特快の停車駅に加えて、青梅線内は立川、西立川、拝島のみ停車する。武蔵五日市行きと分割を行なうため、拝島でなんと6分も停車するが、もちろんこのランキングには影響しない。

「青梅ライナー」は、新宿ー拝島間で途中立川しか止まらないにも関わらず、平日のラッシュ時間帯に運転されることが災いして所要38分。

地図で見ると、中央線・青梅線ルートの線形の良さは歴然。

そして西武鉄道では土休日の「拝島ライナー1号」が最速で、青梅特快より8分遅い所要43分。表定速度はギリギリ50km台に乗せた。

平日の「拝島ライナー1号」はさらに遅く所要47分。同じく平日運転の青梅ライナーより9分遅い。料金では242円安いが…。

やはり他線区同様、私鉄よりJRのほうが速いという結果になった。

新宿ー多摩センター(京王相模原線・小田急多摩線)

京王電鉄初の有料着席列車「京王ライナー」
京王電鉄初の有料着席列車「京王ライナー」(写真は京王八王子行き)

続いて、小田急線の複々線化による大幅なスピードアップ、京王電鉄初の有料着席列車「京王ライナー」運転開始&料金の値下げと、競争が激化している新宿ー多摩センター間の比較だ。

全国的に見ても、私鉄2社が全く同じ駅間をほぼ同じ距離で路線を敷き、競合している例というのは意外と少ない。首都圏では唯一だし、私鉄王国の関西を見ても、梅田ー三宮間の阪神・阪急がいちばん近い例かと思う。それだけ、多摩ニュータウンの開発が国家的な大プロジェクトだったということだろう。

最速の京王ライナーは24分73.0km/hと圧勝

新宿ー多摩センター 距離 所要時間 表定速度 備考 料金
京王ライナー19号 29.2 24 73.0 平日 719円(乗車券319円 特別料金400円)
京王ライナー 29.2 26 67.4 休日の全列車 719円(乗車券319円 特別料金400円)
京王線特急 29.2 29 60.4 平日0703 319円
【参考】ホームウェイ73号 30.6 32 57.4 ※2016年3月廃止 770円(乗車券370円 特別料金400円)
小田急線快速急行 30.6 33 55.6 平日3707、休日3711 370円
小田急線急行 30.6 38 48.3 平日 370円

結果は、京王ライナーが29.2kmを24分で走破、表定速度73.0kmで圧勝となった。ちなみに、新快速の姫路ー敦賀間の新快速が73.7km/h、豊橋ー新鵜沼間の名鉄快速特急が73.5km/hなので、これらより距離は短いものの、関西・中京圏の名だたる高速列車に比肩する表定速度をあの京王電鉄が達成したことは驚きである。

ちなみに最速の京王ライナー19号は号数からもわかるように遅い時間帯のダイヤで、新宿発0時20分という「前が詰まらない」恵まれた時間帯に運転されていることを付記しておく。それでなくても、休日の京王ライナーはすべての列車が26分で運転されており、やはり小田急には勝っている。

通常の京王線特急では、同区間を29分で走破するスジが最速。現在京王相模原線の特急は平日の夕方に限って運転されている。もちろん、平日データイムおよび休日の全日に運転される準特急でも、多摩センターまで30分で到達する。


通るルートは異なるが、距離は京王線経由が29.2km、小田急線経由が30.6kmとほぼ同じ。

さて、複々線化によるスピードアップが実現した小田急線だが、最速の快速急行でも33分、表定速度は55.6kmとかなり分が悪い。小田急多摩線もまた、快速急行は夕方のみの運転で、データイムは停車駅の多い急行である。

かつて運転されていた新宿発唐木田行きの特急ホームウェイの所要時間も参考までに掲載したが、30分の壁を破ることはできていなかった。

やはり、京王と小田急では対多摩センターへの輸送へ力を入れる比重が異なることが上記のような結果になったと思われる。

(つづく)

本日はご乗車まことに有難う御座います。
恐れ入りますが、お手持ちの乗車券を拝見させていただきます。
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