さいごの485系1500番台
先月のニュースになるが、ただ1両最後まで原型を留めていた485系1500番台(新潟T-18編成)のクハ481-1508が新津で保存されることになったという。
通称「電気釜」と呼ばれる「ボンネットでない」485系先頭車がこれまで一両も保存されていないという憂慮すべき事態に気づく人は気づいていたが、とにかく一安心である。
とは言っても1500番台はどちらかと言うとキワモノの部類に入るので、1000番台の先頭車も保存してもらいたいものだ。西日本を中心に一番ノーマルな存在であった200番台は、その地味さゆえにけっきょく絶滅してしまった(それとも向日町のどこかにひそかに残っているのだろうか?)。
そんなわけで、今日は、ゴールデンウィークに両毛線桐生駅で撮影したT-18編成の姿を。
↑この記事は、上記の音声ファイルを聴きながら読むとより臨場感が増します ※感じ方には個人差があります
本来、この日のお目当てはT-18編成ではなく、両毛線の高崎発宇都宮行き3459Mを乗り通そうという計画だった。
この3459Mも、知る人ぞ知る、いまや唯一となった、115系が東北本線を爆走するスジだ。
上野からわざわざグリーン車を奮発して高崎に向かい、MT54の咆哮を堪能しようと意気込んで3459Mに乗車したのだが、連休中ということもあって車内は騒々しく、これはまた出直しだな…と思いはじめた矢先。
車窓から下新田信号所でヒルネするT-18編成の姿を見つけ、急きょ目標変更。選んだのが足利駅というわけ。
なぜ足利駅かって?
足利で待つこと十数分。さっそく、白昼堂々4灯のヘッドライトもまぶしくT-18編成が入線してきた。この、駅本屋に面した1番線ホーム、古レールのプラットフォームに485が滑りこむ絵が撮りたかった! これが正しい「特別急行が駅に入線してくる」絵じゃないか?!
高架駅の桐生や、無味乾燥な佐野や栃木なんかじゃまったく絵にならないんだよ!
「臨時」幕だけど、国鉄書体の文字のみヘッドマークという意味では硬派だ。
列車は、1分程度停車するとブロワー音も高らかに水戸に向けて発車していった。
この時は、完全に見納めの気持ちで見送った。1両だけだけれども、残ってほんとうに嬉しい。
足利駅の懐古的物件はまた改めて。
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