583系「みちのく」の巻
2015年6月28日(日)、秋田車両センターの583系を使用し、団体臨時列車としていわき発青森行きの「みちのく号」が運転された。
ご存じのとおり常磐線は不通なので、経路はいわき―(常磐線)―友部―(水戸線)―小山―(東北本線)―青森という迂回ルートだ。
とつぜん個人的な意見だけれども、「特急で6連なんて!」という思いがある。
正調の特急編成であれば、サシは望むべきもないにしても、最低でもロザを組み込んだ9連でないと恰好がつかない。
そんなわけで、編成写真にしてしまうと波動用モノクラス6連の哀しさが強調されてしまうため、わざとカーヴで狙い、編成が見切れるように試みた。
18時36分、小山駅構内の水戸線の大きく弧を描いたカーヴに583系が姿を現した。
ブロワー音やコンプレッサー音は聞こえず、思いのほか静かだ。
あたりが暗いほうが、ヘッドマークが内側から照らされ、ステッカーの安っぽさが目立たないだろうという読みも的中した。
薄暗くなった小山駅に、大きく弧を描いて入線する「みちのく」。
実際のみちのく号は、常磐線と東北本線を疾走する幹線特急。このような短絡線のきついカーブを通り過ぎることはなかっただろう。あるいは青森運転所への回送では、このような光景が見られたかもしれない。
背景的には、奥の新建材の一軒家はちょっと邪魔だが、その奥の鉄道官舎がなかなかいいムードだ。
やがて「みちのく」は小山駅の中線に停車した。こちらは編成だが、583系の量感あふれるサイドビューは、6連でも威風堂々としている。
上野側のヘッドマークは文字のみ、という粋なはからい。ローマ字の「MICHINOKU」が若干長体がかっているのが気になるが、色合いは悪くない。
「みちのく」は、数分停車すると小山駅を発車し、駅北側の電留線にしばらく停車。それからまた雀宮駅で10分ほど停車して北へと旅立った。雀宮駅の駅員さんに「何か来るの?」と尋ねられたのが印象的だった。
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