日豊本線 豊後豊岡駅
日豊本線の豊後豊岡駅の駅舎は、昭和15(1940)年築の木造駅舎だ。ホームや跨線橋から瀬戸内海の別府湾を望むことができる。
瀬戸内海と聞くと、すぐに想起されるのは広島や愛媛だろう。だが、別府湾もれっきとした瀬戸内海だ。なんと、「瀬戸内法」という法律もある。正式名称は瀬戸内海環境保全特別措置法という。このなかで、瀬戸内海の範囲が定められている。 愛媛県佐田岬から大分県関埼灯台に至る直線がその南端であるらしい。であれば、別府の海は瀬戸内であるが、臼杵の海は瀬戸内ではないらしい。
日豊本線は、国東半島の付け根を山線で越えると、日出町で海沿いに進路を変える。日出(ひじ)、暘谷(ようこく)と、明るい瀬戸内の陽光をイメージさせる駅名がつづく。そして豊後豊岡駅へと至る。
昭和15(1940)年築の木造駅舎は、駅舎の前にシンボルツリーとなる蘇鉄が植えられており、駅舎の茶色の木目とのコントラストが美しい。
駅名標も国鉄時代から変わらない、紺の地に白字で描かれた美しいものだ。
駅舎に近づくと、対向式ホームと、その向こうに別府湾を望むことができる。2020年には、「青春18きっぷ」のポスターにも採用された。
停車するのは、1時間に1〜2本の各駅停車だけだ。日豊本線の各駅停車も短距離化が進み、小倉〜大分を走破する長距離普通列車は朝晩しか設定がない。また、残念ながらロングシートであることも多い。
【下り】
4623M 中津 5:34発 佐伯8:35着
5521M 下関 6:16発 大分9:23着
【上り】
2574M 大分 20:20発 小倉 22:57着
豊後豊岡駅から、上り方の杵築方面はストレートとなっており、特急は高速で通過する。
特急が通過すると、駅はまた静寂を取り戻す。といいたいところだが、海岸沿いに交通量の多い国道10号が通っており、静寂とは程遠い。それでも、この駅の駅舎とロケーションが相まった魅力が決して薄れるわけではない。
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