さらば青大将 EF58-93号機〜2013年、最後の大宮公開から

さらば青大将 EF58-93号機〜2013年、最後の大宮公開から

今年も恒例の「鉄道のまち大宮 鉄道ふれあいフェア」(通称:大宮公開)のシーズンが近づいてきた。2016年末に惜しまれながら解体されてしまった青大将色のEF58-93号機。最後の晴れ姿となった2013年公開の様子から振り返ってみたい。

大宮総合車両センターといえば、非公開で保存されている車両たちが年に1回引き出されてお披露目されるのが楽しみだったのだが、調べていて今更ながらに2016年末にEF58-93、EF60-510が解体されていたことを知りショックを受けた次第だ。昭和60(1985)年の車籍抹消以来30年あまり保存されてきたものを、なぜここに来て解体なのか。

思い出したことがある。かつて東日本旅客鉄道のホームページには、管内の名駅舎を写真で紹介するページがあった。都内でいえば、東京駅はもちろん、都内最古の木造駅舎である原宿駅、ついで古い国立駅のような「関東の駅百選」に選ばれたような駅が紹介されていた。ところが、中央線の連続立体交差事業で、国立駅が取り壊されるというウワサになった。気になって駅舎紹介のページを見ると、国立駅はシレッと削除されていた――。工事計画にそぐわなければ、いかに歴史があろうと駅舎の価値など無意味。そう冷酷に言い放たれたような寂しい気持ちになったのを覚えている。そういう会社である。

2013年大宮公開でのEF58 93号機 最後の晴れ姿

EF58-93号機。2エンド側
EF58-93号機。2エンド側

2013年の大宮公開で、EF58 93は一両だけ、会場の中央を南北に貫く通路の休憩広場横に展示されていた。最近ではACCUMやリゾートあすなろなどが展示されている場所だ。

柵もなく、路面電車のように通路上に留置されているので近くで見られるのはよいが、人通りが絶えずなかなかベストショットが撮れない。

EF58-93号機。1エンド側
EF58-93号機。上野方1エンド

1エンド側に回る。線路がわずかにカーブを描いていることもあって、わずかにパースが強調された面白い絵になっている。

高架下の日陰ということもあり、台車などの下回りを撮影するにはもってこいの環境だった。

EF58の魅力、それは台車

先台車LT221。軸受のNSK日本精工ロゴが非常に目立つ。
先台車LT221。軸受のNSK日本精工ロゴが非常に目立つ。
先台車LT221。
先台車LT221。
主台車HT60
主台車HT60

斜めから見ると、その美しさが際立つ。板バネ、そして地を這うような制輪子のブレーキ棒の造形が目立つ。

なお、台検は昭和61年7月と廃車後の日付になっている…?

ちなみに、EF58の先台車と主台車は一体構造で、全長10m近くもある巨大な構造だ。これが前後に2基。独特のジョイント音を奏でるEF58最大の魅力の一つだ。

EF58 HT-60台車 TRAIN CG LIBRARY(外部リンク)

EF58 HT-60台車 TRAIN CG LIBRARY(外部リンク)

EF58のLT-221先台車およびHT-60主台車の精緻なCGを公開しておられます。

車体中央部のナンバープレートと製造銘板。昭和31年東京芝浦電気製。このわずか2年後には151系こだまが登場し、EF58は東海道本線最優等列車牽引の座を追われていくことになる。なお、この93号機は現役時代に青大将色に塗られたことはない。あくまでリバイバル塗装である。

この目まぐるしい進歩を思うと、EF510-500番台の北斗星牽引期間がわずか5−6年だったことも長く感じられるくらいだ。

車体側面。車体の緑色が圧倒的な存在感を持って迫ってくる。巨大な空気溜めのインパクトも強い。空気溜めには昭和56(1981)年9月大宮工場にて全検とある。

EF58-93号機2エンド側前頭部。
EF58-93号機2エンド側前頭部。

EF58-93号機2エンド側前頭部。重厚な台車と、流麗な流線形の車体のコントラスト。その意味では、古色蒼然たる溜色(ぶどう色2号)よりも、青大将色(淡緑色(淡緑5号)+下部黄色(黄1号))や新型直流電機標準色のほうが似合っているように思う。

正面寄りから。

高架の向こう側から流麗なシルエットを。やはりゴハチは美しい! ただ、非公式側のナンバープレートと製造銘板は取り付けられていない。

大宮公開も終了時刻間際になると人の波が引き、少しは撮影しやすくなる。この後93号機から、側面のナンバープレートと製造銘板を係員が丁寧に取り外していた。

そしてEF58-93号機は永遠に想い出のなかに…。

最後に、よく知られた動画ではあるが、昭和29年ごろの特別急行つばめを描いたドキュメンタリー「つばめを動かすひとたち」を紹介したい。当時、東京〜大阪間を最速の8時間で結ぶ1列車は、国鉄、そして焼け野原から立ち上がろうとする日本国の威信をかけた列車であった。当時は、名古屋までが東京機関区のEF58牽引、名古屋からは稲沢のC62牽引という名門の黄金リレー。ゴジラの主題曲で知られる伊福部昭が音楽を担当し、重々しい雰囲気を醸し出している。白黒ではあるが、青大将のもっとも輝ける時代が垣間見える。

東京9時00分発、大阪17時00分着の美しいダイヤ。大阪駅到着と同時に流れる5時キッカリの時報に、国鉄の並々ならぬプライドが表れている。

SEIBUNDO MOOK 鉄道画報 No.7

国鉄旧型電気機関車の集大成、EF58形電気機関車のすべて。ゴハチロクイチ熱い夏、東海道全線電化とEF58形、EF58形が輝いた時代、JRのEF58形たちなどを収録。(2006年10月刊)

本日はご乗車まことに有難う御座います。
恐れ入りますが、お手持ちの乗車券を拝見させていただきます。
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